最新情報!Amazonがカスタマー向けAI「Rufus(ルーファス)」のβ版を導入|概要とテスト結果

  • Amazon

Amazonがカスタマー向けに導入したAI「Rufus」が、日本国内でβ版テストを実施を発表し、一部のユーザーのAmazonアプリに実装されているようです!

当社メンバーのなかにも、数人実装されているため使用感やテストを実施してみました。

本記事では、Rufusの概要やできること、ECのプロ目線で実際に使用したレビューを紹介します。Rufusについてまだ認知度は高くはないですが、今後正式導入され一気に認知されることでしょう。

正式導入前に、いち早くアメリカ版Rufusの情報を踏まえ解説するので、ぜひ参考にしてみてください!

この記事の監修者

●監修者名
半田 悟朗(ハンダ ゴロウ)
●経歴
大手バイク用品店でECモール及びMD責任者を歴任。現在は株式会社MinatoでECコンサルタントを務める。
●コンサルタントについて
Minatoでは、主要3モール(Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング)にて運用代行プランのECコンサルタントを担当。
ECの実務だけではなく、店舗開設から受注システムの導入など顧客の困りごとを総合的にサポートしている。過去に、飲食店の店舗開発や物流の最適化などの経験があるため、ECモールだけにこだわらない戦略設計で顧客の成果最大化を支援し活躍中。

\監修者に相談したい方はコチラ/

AmazonのAI「Rufus」とは

画像出典:https://www.aboutamazon.com/news/retail/how-to-use-amazon-rufus

Rufusは、アメリカで2024年2月1日にβ版がリリースされたAmazonアプリで使用できる生成AIであり、同年9月にアメリカ全土で正式導入されています。

AmazonのAI研究では、消費者の購買行動を分析しよりパーソナライズされたショッピング体験を実現するCOSMOアルゴリズムがありますが、Rufusは消費者が実際に利用できるChatGPTのようなツールです。

Rufusの導入により、Amazonの様々な機能をAIに質問するだけで簡単に利用できることが特徴で、よりユーザーのショッピングが快適になります。

詳しくは後でお伝えしますが、2020年の注文履歴で○○を買ったのか確認したい場合、注文履歴のページを開き日付指定をしなければいけませんでしたが、Rufusを使用すればすぐにそのデータを見つけられます(現在日本未実装)。

また、抽象的な○○のような商品が欲しいという質問にも答えてもらえるため、買い物効率の向上に繋がるのも嬉しいポイントと言えるでしょう。

Rufusの使い方

画像出典:https://www.aboutamazon.com/news/retail/how-to-use-amazon-rufus

Rufusの使い方として、Amazon公式が発表しているのは以下の6つです。

日本のβ版では一部使用できない可能性がありますが、一挙に紹介するので見ていきましょう。

  • シーンや目的に合わせて使用する
  • 同じ商品カテゴリで選択肢を比較する
  • おすすめの商品が何かを見つける
  • 注文履歴の確認
  • 商品のアップデート内容を確認する
  • 買い物以外の質問に答えてもらう

シーンや目的に合わせて使用する

商品の利用シーンに合わせて、プロンプト(AIへの指示テキスト)を作成して質問を投げかけると、状況に応じた回答をしてもらえます。

例えば、「水族館デートに合う服を紹介して欲しい」などが挙げられます。

何を買おうか決まっていないタイミングで、会話形式で聞けることが魅力的と言えるでしょう。

同じ商品カテゴリで選択肢を比較する

Rufusでは、同じ商品カテゴリで商品の比較も可能です。

例えば、同じシリーズのお菓子があったとして、新商品と旧商品の比較をしてもらえます。

違いを理解した上で商品リンクを表示してもらえるので、わざわざ調べる必要がないことがメリットと言えるでしょう。

従来は商品について、GoogleやSNS等で調べる必要がありましたが、この手間が無くなるのは嬉しいポイントといえます。

おすすめの商品が何かを見つける

現在のおすすめの商品が何かを教えてもらえるので、Amazonの売れ筋やおすすめ商品を知れるのでなんとなく買い物をしたい時にぴったりの機能です!

自分で調べないため、おもいがけない発見がある可能性があります。

ジャンルを指定することで、より狭い範囲でおすすめを聞けるのもメリットです。

注文履歴の確認

アメリカで実装中のRufusでは、○○年の○月にかったアレの注文履歴をすぐに見つけて貰えるようです!

後で実際のレビューを紹介しますが、日本のβ版では未実装なようなので、正式導入されたら改めて試してみてください。

商品のアップデート内容を確認する

注文履歴同様に、同じ商品のアップデート内容を聞けます。

同じ商品であっても、カスタマーレビューに書かれたウィークポイントが改善されるケースは多いですが、具体的に何が変わったのか従来はわかりにくかったです。

しかし、Rufusの利用でアップデート内容をわかりやすく説明してもらえるので、購買意欲の向上にもつながるでしょう。

買い物以外の質問に答えてもらう

後述のレビューの結果、β版の日本未実装であることがわかった機能として、ChatGPTのように買い物以外の設問にも回答してもらえるようです。

Amazonを使いながら、調べものをしたい時やAIを使った遊びをしたい時にも利用できます。

AIとの会話のなかで、欲しい商品が見つかる可能性もあるため、正式導入されたら使ってみたい機能と言えるでしょう。

Amazonに出店する店舗が今後理解すべきRufusの注意事項

画像出典:https://www.aboutamazon.com/news/retail/amazon-rufus

消費者にとってRufusは非常に効果的ではありますが、出店している店舗もRufusについて理解しておく必要があります。

メリットより以下の注意すべき点を抑えて、事前に対策を講じておくことで正式導入のタイミングで他店舗に差を付けられます。

  • 検索結果での表示が減る可能性がある
  • 新たなRufus用の広告を運用する可能性がある
  • 従来のSEOの効果が変わる可能性がある

現状の設定ではRufusは上での表示が減る可能性がある

Rufusが正式採用されることにより、通常の検索結果や広告枠で表示されていた商品が、AI判断では表示されない可能性があります。

AIはよりユーザーのためになる商品を探し、会話の中で商品情報に誘導するため、商品説明をより詳しく商品名をよりユーザーライクに変更する必要も出てくるでしょう。

Amazonの発表によっては、Rufus向けの対策を打つ必要も出てきます。

新たなRufus用の広告を運用する必要がある

Rufusにもアメリカでは広告枠がすでに表示されているため、今後日本で正式導入される際には同様に広告が表示されるようになります。

従来の設定のままか、オプションになるのかは現状定かではありませんが、Rufusを含めた広告戦略が必要です。

従来のSEOの効果が変わる可能性がある

従来は検索結果で表示されやすくなるために、商品名や商品説明、キーワード対策等を行いSEO対策をしていました。

しかし、RufusをAmazonユーザーが使うようになると通常の検索窓の利用頻度が減りRufusを利用するユーザーも増加するため、Rufusで調べてもらいやすいことも重要なポイントとなってくるでしょう。

日本ではまだβ版であるため、アメリカの情報を取り寄せたり支援会社への相談が急務となってくることが予想されます。

RufusをECのプロが実際に使ってみた

画像出典:https://www.aboutamazon.jp/news/retail/amazon-ai-shopping-assistant-rufus

テスト1:過去の注文について聞いてみた

プロンプト1

私が過去直近で購入した商品を教えてください。

回答

「注文履歴」ページより、注文をご確認ください。

注文履歴リンク

検証結果

具体的な回答ではなく、注文履歴ページのリンクが貼られたのみでβ版の精度は弱いと感じられる。

テスト2:欲しい商品を抽象的に調べてみた

プロンプト1

無添加やオーガニックの化粧水のおすすめはありますか?

回答

申し訳ありませんが、専門的なアドバイスを提供することはできません。化粧品の効果や安全性については、メーカーや専門家の情報をご確認ください。

検証結果

薬事法に関わる内容は回答が難しい可能性があった。

プロンプト2

油汚れに効果的な洗剤のおすすめはありますか?

回答

キッチンの頑固な油汚れには、アルカリ性の洗剤が効果的です。特に、重曹やセスキ炭酸ソーダを含む製品がおすすめです。これらの成分は、油汚れを分解して落としやすくします。

おすすめ商品リンク1

おすすめ商品リンク2

おすすめ商品リンク3

※実際は商品リンクではなく商品画像を含むボタンが設置されていた。

検証結果

効果に言及した回答がされ、おすすめ商品が紹介された。回答だけではなく、成分が入っている商品が紹介され便利であると感じられた。

テスト3:利用シーンを細かく設定して聞いてみた

プロンプト1

贈答品として喜ばれる食品のおすすめはありますか?賞味期限が長持ちするものだと嬉しいです。

回答

贈答品におすすめの長期保存可能な食品をいくつかご紹介します。

フリーズドライ味噌汁ギフト

乾麺ギフトセット

レトルトカレーギフトセット

焼き菓子ギフトセット

検証結果

長期保存が効くギフトセットが紹介され、ニーズに合った商品を紹介してもらえた。

別のメンバーが同様の質問をしたら、醤油ばかりが紹介され疑問視される回答も表示された。

プロンプト2

セミダブルのベットシーツでブラウンに合う色でおすすめはありますか?

回答

セミダブルベッドシーツのおすすめの色は、ブラウンと調和する以下の色合いです。

おすすめ商品リンク1

おすすめ商品リンク2

おすすめ商品リンク3

※実際は商品リンクではなく商品画像を含むボタンが設置されていた。

検証結果

AIが独自判断で、色に合う商品を紹介してくれたため役には立っていると考えられる。

プロンプト3

(女性メンバー対応)週末にデートに行く服を探しています。神保町のカフェに行くので、読書の秋っぽいテーマが良いです。おすすめの商品はありますか?

回答

秋のデートにぴったりの、読書の雰囲気が漂うファッションアイテムをご紹介します。

赤と黒のチェック柄のワンピース

男性向け黒ジャケット

※実際は商品リンクではなく商品画像を含むボタンが設置されていた。

検証結果

性別を正しく認識せずにAIが回答しているため、まずは性別を指定したプロンプトが必要であることに気が付いた。また、ファッションセンスについても課題がある。

テスト4:流行っているファッションについて教えてもらった

プロンプト1

今現在日本で流行っている流行のファッションについて教えてください

回答

AIアシスタントとして現在、話題のニュースや最新情報の提供についてはできかねますが、お買い物に関する質問でしたらぜひお手伝いさせていただきます!

検証結果

β版では、アメリカで実装されている買い物以外の設問回答については未実装であった。

テスト5:同じジャンルの商品を比較してもらった

プロンプト1

ワイドハイタープロとワイドハイターの違いを教えてください。

回答

ワイドハイタープロとワイドハイターの違いは、主に用途と成分の違いがあります。

ワイドハイタープロ商品リンク

ワイドハイタープロ商品リンク

※実際は商品リンクではなく商品画像を含むボタンが設置されていた。

検証結果

抽象的な回答かつ、商品リンクがワイドハイタープロのみであったため精度は高いとは言えない。

テスト6:おすすめのレシピを紹介してもらった

プロンプト1

寒くなったので、おすすめのレシピを教えてください。

回答

寒い季節にぴったりの温かいレシピをご紹介します。

  • じゃがいものグラタン:ホワイトソースとチーズがたっぷりかかった、冬に食べたくなる定番メニューです。
  • ビーフシチュー:じっくり煮込んだ牛肉と野菜の旨味が凝縮された、寒い日にぴったりのほっこりシチューです。
  • けんちん汁:野菜たっぷりの具だくさん汁物で、体が温まります。栄養バランスも抜群です。
  • おでん:大根や卵、ちくわなどのグザイを煮込んだ、寒い季節に食べたくなる定番のおでんです。
  • 豚汁:ごぼうやニンジン、里芋などの根菜が入った、具だくさんのあったか汁物です。

検証結果

具体的なレシピというよりメニューを教えてくれたため、レシピではないことが懸念点。その後の案内としては、「おすすめのレシピ本はありますか?」といったおすすめの設問がボタン形式で表示され、商品紹介への導線が作られていたことが特徴。

Rufusの精度は及第点が多いが正式導入に期待!

β版のRufusは、ChatGPTやGoogleのGeminiと比較すると精度は低いと言えます。

ただ、Amazonでの買い物が便利になることは間違いなく、アメリカ本土で実装されている正式版Rufusは日本のβ版と比較しても高い精度が期待できるでしょう。

β版が発表されたばかりであるため、まだ正式導入までは時間がかかりそうですが実装を楽しみに待ちましょう!

Minatoでも、このRufusについて最新情報を追っていくのでアップデート情報があればお伝えしていきます!