CRM分析はEC運営の必須事項!重要性や分析方法を解説

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インターネットやSNSの発達に伴い、市場トレンドが急速に変化する現代においては、どの業界でも消費者ニーズの可視化が急務とされています。ニーズが多様化しているため、ECサイトにおいても個別最適化したアプローチが求められるようになってきました。

とはいえ、顧客心理を理解しているつもりでも思うように売上が伸びないこともあります。そもそもニーズの掴み方がわからず、四苦八苦している事業者も多いのではないでしょうか。

今回は、顧客関係を可視化するシステム「CRM」をご紹介します。ECサイト運営の必須ツールにもなりつつあるので参考にしてみてください。

CRM分析を行う目的

CRMとは、Customer Relationship Managementの略で「顧客関係管理システム」もしくは「顧客情報管理システム」のことを指します。

顧客の氏名・住所・クレジットカード番号などの個人情報はもちろん、膨大な属性情報から共通点を探し出すことも可能です。そのため、自社商品がどのような属性のユーザーに売れているかを可視化でき、効果的なプロモーションを打ちやすくなるのです。

CRM分析をすることで、顧客情報をさまざまなグループで蓄積・整理できるようになるため、あらゆるシーンで重宝します。

顧客との関係性強化

CRM分析は、顧客との関係性を強化したいときに役立ちます。

基本的な属性情報に加えて過去の購買履歴や問い合わせ履歴も一目でわかるので、自社と顧客の関係性を可視化できます。上手に活用すれば、購入サイクルに合わせてリピートを促すプロモーションをするなど、個別のアナウンスがしやすくなるのもポイントです。

また、顧客情報を部門間で連携しながら最適なアフターフォローを提供するなど、顧客満足度向上施策にCRM分析を利用する企業も増えました。根強いファンを獲得したいというときにもCRM分析が役立ちます。

LTVの最大化

LTV(Life Time Value)は、顧客生涯価値のことを指します。顧客が自社商品・サービスを利用し始めてから終了するまでの間、どの程度の利益を生むかを表す言葉です。

割引キャンペーンを適用した安価な商品を1度購入しただけで離脱してしまう顧客は、LTVが低いといえます。反対に何十年とリピートしながら根強いファンになってくれている顧客は、LTVが高い層です。それぞれの客層に次回購入を促す場合、異なる施策が求められます。

CRM分析により顧客理解を高めることができれば、顧客ごとに異なる購入サイクル・好み・予算感に合わせて商品をプロモーションできます。良い口コミの発信元になるなど副次的な効果も期待でき、ロイヤリティの高い顧客として育成できる可能性が高まるのです。

営業施策の効果検証

営業施策の効果検証をする際も、CRM分析が役立ちます。これまで実行してきたプロモーションに対し、顧客がどのような反応をしているか、どんな層にどんな商品がヒットしたのかを可視化しやすくなるのです。

客観的なデータをもとに効果検証できるため属人的な経営判断になりにくく、新たな施策立案にも貢献するのがメリットです。「成果に直結する施策を考えたい」「過去のプロモーションが正しかったのかわからない」という場合にも役立ちます。

CRMの代表的な分析手法

同じCRMでも、分析手法により得られる情報やデータが異なります。代表的なCRM分析手法をご紹介します。

RFM分析

RFM分析は、下記3つの観点から顧客情報を可視化する手法です。

・R「Recency」(直近購入日)
顧客が最後に購入した日を表します。購入日の近い方が重要度の高い顧客です。

・F「Frequency」(購入頻度)
顧客が自社の商品やサービスを購入している頻度のことです。頻度が高い方が重要度は高いといえます。

・M「Monetary」(購入金額)
顧客が購入した金額を指します。購入した金額が大きいほど、自社にとって重要な顧客です。

上記3つの項目いずれも高ければ優良顧客であり、自社のファンであると判断でき、今後も購入が期待できます。

また、直近で購入しているが頻度が浅い顧客に対しリピート施策を考えるなど、属性別の施策も考えやすくなるのがRFM分析の特徴です。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析は、ニーズや属性などの要素別に顧客情報を可視化する手法です。居住地・性別・年齢・職業など基本的な属性だけでなく、複雑なセグメントを分析できれば、より効果的な施策の実施につながります。

セグメンテーション分析には、生活リズム・SNSの使用状況・家族構成などの属性が役立ちます。CRMシステムは、副次的な属性まで組み合わせて既存顧客の多様な情報をインプット可能です。そのため、セグメンテーション分析と相性が良いとされています。

売上分析

CRMを活用して売上分析をすれば、自社の強み・弱みを可視化できます。各月の店舗別売上を可視化できれば、セールス力の強い店舗とそうでない店舗を明確に線引きできます。

また、昨年同月比と比較しながらKPIを設定したり、担当従業員ごとの売上額を可視化して人事評価に反映したり、さまざまな施策ができるのもポイントです。

各店舗で共通する要素を浮き彫りにできれば、「なぜ売れているか(売れていないのか)」「どんな層に支持されているのか」もわかります。

CRM分析を導入する方法

ここではCRM分析を自社に導入する方法を解説します。手っ取り早いのはCRMシステムを導入することですが、目的が曖昧なままツールを導入するだけでは期待通りの効果が得られないかもしれません。

何のためにどのようにCRMを活用するのか、検討していきましょう。

導入目的の明確化

まずはCRM分析に期待したいことや、導入の目的を明確にします。なぜなら、売上アップを目指したいのか、社内業務を効率化させたいのか、顧客満足度向上やブランディングをしたいのかによってCRM分析の使い方が異なるためです。

関連部署でキックオフミーティングをおこない、目的を可視化しておくことが重要です。また、CRM分析専任の担当者を配置し、CRM関連の情報を1ヶ所に集約できるような環境を整えることも有効です。

課題の洗い出し

現在の業務フローのうち、顧客情報の扱いについて課題に感じている部分があれば全てリストアップしておきましょう。また、顧客管理において、どのような課題があるか、どんなクレームが多いかなどの社内ヒアリングも欠かせません。

マーケティング担当者だけでは見えない課題があることも視野に入れ、カスタマーサポートが部門や店舗責任者などの声も広く拾い上げていきます。課題が整理できたら、前項で可視化した導入目的に沿って、優先順位をつけながら解決していきます。

まとめ

CRM分析を上手に活用できれば、顧客情報を可視化しながら効果的なプロモーションが打てるようになります。ときには社内業務を効率化したり、ブランディングや顧客満足度向上施策に役立てたりすることもでき、汎用性の高い分析手法ともいえます。

CRM分析に困ったときは、専門のコンサルタントに依頼するのがおすすめです。データを分析するだけでなく、分析結果を反映しながらユーザーに提供するコミュニケーション施策やデータ活用法まで幅広い提案が期待できます。

Minatoでは、CRMコンサルティングをおこなっています。CRM領域に精通したコンサルタントが経営視点からCRM戦略をプランニングいたします。施策の実行から評価・改善策の策定まで提案いたします。

「CRMツールを導入したが何をしたらよいかわからない」「効果的な運用法がわからない」という方は、一度お気軽にお問い合わせください。

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