Amazonへの出店料はどれくらい?出店審査の流れについてもご紹介
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Amazonへの出店は販路拡大に大きな効果が期待できますが、出店料や手数料を支払っても採算性が良いのか気になる方もいるでしょう。この記事では、Amazonへの出店から販売時にかかる手数料の種類と費用、そして出店審査の流れについても解説します。
●監修者名
杉浦 基(すぎうら もとい)
●経歴
ECマーケティング支援会社にて出店企業を支援、その後総合通販企業にてWEBマーケティング業務に従事。現在は株式会社MinatoでECコンサルタントを務める。
●コンサルタントについて
ECの専門的な知識を活かし、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングといった幅広い領域で支援を行う。担当店舗を契約から半年で売上を約3倍に引き上げた経験もあり。柔らかい雰囲気で、話しやすいことが特徴。
INDEX
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Amazonへの出店時に必要な費用は大きく4つ
Amazonに出店するには「基本料」「販売手数料」「Amazon FBA手数料」「その他発生する手数料」の大きく分けて、4つの費用がかかります。
これらの費用は、全員が一律ではありません。選択している出品プランや販売している商品、オプションであるAmazon FBAを利用しているかどうかによって変動します。
そのため、出店前には、自分が販売する商品ではどの程度の手数料が発生するのかを把握しておくことが大切です。それぞれの費用の特性を知って、Amazonに出店した場合の利益率を計算しておきましょう。
※価格表記につきましては全て税込表示となります。
出店にかかる費用感を把握しておくと、販促や広告にかけられるコストがわかります。その後の出店計画にも大きく関わりますので、自社の出店コストは是非把握しておくとよいでしょう。
Amazonへの出店料1.基本料
大口出品 | 小口出品 | |
月間登録料 | 4,900円/月 | 無料 |
基本成約料 | 無料 | 100円/回 |
販売手数料 | 8%~45% | 8%~45% |
(2023年6月現在)
Amazonの出店にあたり初期費用は発生しませんが、基本料が必要です。Amazonの出品形態には、出品数が多い人向けの「大口出品」と出品数が少ない人に向けた「小口出品」の2種類があります。
月間50個以上商品を販売できるのであれば、月額4,900円がかかるものの基本成約料のかからない大口出品のほうが費用を安く抑えることが可能です。
それぞれ基本料やサービス内容が異なるので、ビジネス規模に合ったプランを選びましょう。
小口出品の場合できることがかなり制限されてしまいます。テスト販売等の限られたケースを除いて、基本的には大口出品を選択しておく方が無難でしょう。
大口出品
大口出品は、商品の出品・販売数を問わず登録料が月間4,900円発生する出品形態です。1商品出品ごとにかかる基本成約料は発生しないため、月間50点以上継続して販売できる見込みがある場合に向いています。
また、大口出品では一括出品や在庫管理ツール、広告や管理レポートの利用など、出品用ツール機能が利用できます。Amazonでの販売を本格的に行いたいなら、大口出品がおすすめです。
小口出品
小口出品は、商品が売れるごとに基本成約料が100円発生する出品形態です。月間の登録料は発生しないので、スモールスタートしたい方に向いています。
なお、小口出品では商品ページの作成はできません。新規出品ではなく、既存の商品ページに相乗りする形で出品します。また、大口出品で利用できる各種ツールや広告など、出品アカウント機能のほとんどが使えないため、本格的な販売を行うには、大口出品を検討したほうが良いでしょう。
Amazonへの出店料2.販売手数料
Amazonで商品を販売する場合、基本料に加えて商品ごとに販売手数料がかかります。販売手数料には「商品カテゴリー別販売料」と「カテゴリー成約料」のふたつがあり、一部の商品カテゴリーでは両方の手数料がかかります。
やや細かい話ですが、特定のジャンルの場合金額が大きくなるケースがあるため、出店前に必ず把握しておきましょう。
商品カテゴリー別販売手数料
商品カテゴリー別販売手数料は、商品が売れたら発生する手数料で、カテゴリーごとに割合と最低手数料が定められています。商品カテゴリー別販売手数料を一部抜粋して紹介します。
Amazonへの出店は販路拡大に大きな効果が期待できますが、出店料や手数料を支払っても採算性が良いのか気になる方もいるでしょう。この記事では、Amazonへの出店から販売時にかかる手数料の種類と費用について解説します。
カテゴリー | 販売手数料 | 最低販売手数料 |
本、CD・レコード・DVD、ビデオ | 15% | なし |
エレクトロニクス(付属品を除く)、カメラ、パソコン・周辺機器 | 8% | 30円 |
ドラッグストア、ビューティ | 1点あたりの売上合計が
1,500円以下…8% 1,500円超…10% | 30円 |
食品・飲料 | 1点あたりの売上合計が
1,500円以下…8% 1,500円超…10% | なし |
ホーム(インテリア、キッチン)、ホームアプライアンス、DIY・工具、腕時計 | 15% | 30円 |
服&ファッション小物 | 1商品あたりの売上合計が
3,000円以下の部分…12% 3,000円を超える部分…8% | 30円 |
シューズ&バッグ | 1商品あたりの売上合計が
7,500円以下の部分…12% 7,500円を超える部分…6% | 30円 |
(2023年6月時点)
カテゴリー成約料
カテゴリー成約料は、メディア商品(本、CD・レコード・DVD、ビデオ)に発生する成約料です。販売手数料とは別にかかる手数料で、配送地域によって異なります。日本国内の成約料は以下のとおりです。
商品タイプ | カテゴリー成約料 |
本 | 80円 |
CD・レコード | 140円 |
DVD | 140円 |
ビデオ(VHS) | 140円 |
(2023年6月時点)
Amazonへの出店料3.Amazon FBA手数料
Amazonには、FBA(フルフィルメント by Amazon)というフルフィメントサービスが用意されており、商品の在庫保管から発送までをAmazonに委託できます。FBAを利用する場合に発生する手数料について解説します。
Amazonで販売する場合、基本的にはFBAの利用を検討しましょう。費用は掛かりますが配送品質が向上したとみなされ売上に大きく寄与しますので、テストしてみる価値は十分にあります。
配送代行手数料
配送代行手数料は、商品の梱包・配送・カスタマーサービスなど、出荷に関連したサービスにかかる手数料です。梱包済み商品の重量や寸法によって17の区分があり、1商品あたり288円~5,625円となっています。
在庫保管手数料
在庫保管手数料は、FBA倉庫で商品を保管・管理するときに発生する手数料です。在庫のAmazonフルフィルメントセンターにおける1日の平均スペース使用量に応じて算出されます。
サイズ区分、月、カテゴリーによって単価が異なります。また、保管期間が365日を超えた場合には、長期在庫保管手数料が追加で発生します。
梱包準備サービス
FBAを通じて販売する商品の梱包をAmazonに依頼する場合に発生する手数料です。1商品ごとに計算されます。
小型・標準サイズ | 大型サイズ | |
商品ラベル貼付 | 20円(FBA小型軽量商品10円) | 51円 |
袋入れ | 25円 | 92円 |
テープ貼り | 20円 | 51円 |
エアキャップ | 31円 | 92円 |
(2023年6月時点)
納品不備受領作業手数料
FBAを利用する場合、納品要件を満たしたラベルの貼付や梱包が必要です。要件を満たしていない場合には納品を拒否されますが、Amazonが追加梱包を行う場合もあります。Amazonが不備について追加作業を行った場合、納品不備作業手数料が請求されます。
納品不備受領作業手数料は、不備の内容と過去4ヶ月間の不備発生率によって変わります。不備発生率が一定を超えると、レベルが引き上げられ、手数料が上がるので注意が必要です。(2023年6月時点)
FBA在庫の返送・所有権の放棄手数料
FBAでは在庫保管料が発生します。商品が売れない場合には在庫を引き上げないと保管料が発生し続けますが、在庫の返送や所有権放棄を希望する場合には、商品1点ごとに手数料が発生します。返送・所有権の放棄手数料は以下のとおりです。
サイズ | 重量 | 手数料 |
小型・標準サイズ | 0~200g
201~500g 501~1,000g 1,001g~ | 30円
45円 60円 100円 + 1,000gを超えた分の1,000gにつき40円 |
大型・特大型 | 0~500g
501~1,000g 1,001~2,000g 2,001~5,000g 5,001g~ | 80円
110円 140円 200円 350円 + 5,000gを超えた分の1,000gにつき40円 |
(2023年6月時点)
Amazonへの出店料4.その他発生する手数料
Amazonはそのほかにも、返品やチャージバック、クーポン使用などで手数料が発生します。
意外と忘れがちなのがクーポン償還手数料です。低単価の商品の場合はこのコスト負担が大きくなる場合もあるため、考慮しつつ検証するとよいでしょう。
購入者返品手数料
購入者返品手数料は、「返品送料無料」のカテゴリーで販売している商品が返品された際に発生します。該当商品は以下です。
・服&ファッション小物
・シューズ&バッグ
出品者は、該当商品ごとに手数料を負担する必要があります。購入者返品手数料はFBA配送代行手数料の合計と同額で、返品レポートで確認できます。
2023年6月現在の時点ではプロモーションで免除となっていますが、返品送料無料で商品を販売する場合には、返品手数料のコストも念頭に置いておきましょう。
代引き手数料チャージバック
商品が代金引換で購入された場合、ユーザーがAmazonに支払う手数料はいったんペイメントに計上されます。その後、代引き手数料チャージバックとして、Amazon手数料で引かれることになります。
出品者の手数料負担はありませんが、Amazon手数料の金額として含まれているため注意しましょう。
配送料チャージバック
ユーザーが購入時にAmazonに支払った配送料も、いったんペイメントに計上され、その後配送料チャージバックとしてAmazon手数料で引かれます。代引き手数料と同様に、出品者の実質的な負担はありません。
クーポン償還手数料
商品についてクーポンを発行している場合、1回の引き換えにつき60円のクーポン償還手数料が発生します。
Amazonへの出店方法
出店時の費用が把握できたら、実際にAmazonに出店してみましょう。手順通りに出店作業を行えば審査もそれほど厳しくなく、誰でも出店しやすいECモールです。出店から発送までの手順をご紹介します。
Amazonの出店に係る期間は、スムーズにいけば半月程度です。出店完了してから慌てないように、商品ページの用意や在庫の準備も事前に行っておきましょう。
1.Amazon出品用アカウントを作成する
Amazonに出店するには、出品用アカウントが必要です。出品用アカウントを取得する際には、本人確認のため以下の書類を提出します。
・顔写真入りの身分証明書
・過去180日以内に発行された各種取引明細書
・電話番号
・メールアドレス
・クレジットカード
・銀行口座
これらを提出した後、Amazon側で審査が行われます。審査は、それほど厳しいものではなく、書類不備がなければ3営業日程度で出品用アカウントが作成できるでしょう。
2.出品者プロフィールを設定する
審査が通れば、出品者プロフィールの設定が可能です。この出品者プロフィールでは、特定商取引法など法令に基づく表示に記載する店舗情報やAmazonで売れた商品の売上金を受取る口座の設定、Amazonへの手数料の支払い方法を選択します。
また、配送や返品に関わる設定として、返送先住所の登録や配送料の設定、お届け日時を決めて入力してください。
3.商品を登録する
出品する商品の登録をしていきます。商品の登録は、すでに出品している商品であれば、在庫数や価格を入力するだけで簡単に登録できます。
オリジナル商品などAmazonで販売されていない商品の場合は、在庫数や価格に加え、JANコードや商品名、説明文などを入力し登録してください。
JANコードがない商品は、Amazonサポートセンターに問い合わせて、製品コードの免除許可を受けて登録します。
4.注文処理と発送を行う
登録した商品が購入されたら、注文確定のメールが来ます。管理画面から納品書を印刷して、商品と一緒に梱包しましょう。梱包は、商品が発送中に壊れないように商品に合った方法で丁寧に行います。
梱包が終わったら発送業務を行い、管理画面上にある「出荷通知」ボタンをクリックして完了です。
注文数が多い場合は、これらの作業負担が大きくなります。FBAを利用すれば、Amazonの倉庫に在庫を保管し、注文処理から発送までをすべて代行してもらうことが可能です。返品が合った際にも、代行で処理をしてくれます。
FBAの利用には配送代行手数料や在庫保管手数料がかかりますが、注文後の処理を任せられるため、注文後の処理に悩まされることはなくなるでしょう。
まとめ
Amazonでの販売には、さまざまな手数料が発生します。収支が赤字とならないよう、仕組みについて正しく理解しておきましょう。
AmazonをはじめとしたECでの販売を成功させたいなら、ぜひ「ECモール支援サービス」をご利用ください。
ECモール支援サービスでは、プラットフォームやEC事業の経験者であるコンサルタントが、マーケティングの視点から売上向上をワンストップでサポートいたします。1コンサルあたりの担当社数を抑えることで支援品質を向上させるだけでなく、ECモール以外のデジタルマーケティング提案も行っています。ぜひこちらまでお気軽にご相談ください。