ECマーケティング、成功するために押さえておきたい3つのポイント

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ECサイトの運用で売上拡大を目指す際に必要となるのがECマーケティングの強化です。しかし、ECマーケティングとは何なのか、強化するためには何をすれば良いのかわからない担当者の方もいるのではないでしょうか。

本記事ではECサイトを運営している方に向けて、ECマーケティングの特徴や重要なポイントについて解説します。

ECサイトに適したマーケティング「ECマーケティング」とは

顧客のニーズを分析し、それに沿った商品開発や売り場づくりをして売上につなげる活動をマーケティングといいます。そのなかでも、ECサイトに特化した施策がECマーケティングです。

ECマーケティングの特徴について具体的にみていきましょう。

特徴1.上位取得により販路拡大できる

来店などの接触があった顧客のみが対象となるマーケティングに対して、ECマーケティングではインターネット環境でつながっているすべての人が対象です。

自社の商品やサービスに関連したキーワードが検索結果で上位取得されるようになると、多くの人の目に留まるため売上の拡大が期待できます。地方のショップでも、検索結果の上位表示を獲得すれば、都内の一丁目一番地に匹敵する集客力を得られるイメージです。

さらに越境ECを構築すれば、国内だけでなく海外にもターゲットを増やせるなど可能性を拡げられるのがECマーケティングの魅力といえるでしょう。

特徴2.対面での接客が不要になる

ECマーケティングでは、対面での接客が必要ありません。そのため、実店舗運営に必要な人件費や労力の削減ができるのもECマーケティングを行う大きなメリットのひとつです。メールでのやり取りといった接客なしで購入に至るケースもあるため、利便性の高いマーケティングといえます。

なかには、接客機能を備えているECサイトもあります。Web接客ツールを活用して、自動でユーザーに対応してくれるため、オフラインでの接客と比べて難易度も低いです。

特徴3.容易に顧客データが取得できる

ECマーケティングでは、実店舗では難しい顧客の属性や行動歴、購入歴などのデータ取得が容易になります。

アクセス解析などのツールを活用すれば正確なデータが取得でき、その情報をマーケティング施策に活用することが可能です。

ECマーケティングを成功させるために押さえておきたい3つのポイント

ECマーケティングを成功させるために押さえておきたいポイントは、集客数、CVR、リピート率の3つです。それぞれを伸ばすための施策を考えることで、売上につなげられます。

ここでは、それぞれの項目で実施されている主な手法について解説します。

1.集客方法

ECマーケティングにおける集客方法は5つあります。

リスティング広告

リスティング広告とは、検索連動型広告やPPCといわれるもので、検索エンジンを使って検索した際に検索結果画面の上部に表示させることができる広告です。

最も効果が出やすいといわれていますが、運用にコストがかかったり専門知識が必要になったりする課題もあります。

ディスプレイ広告

検索エンジンやウェブ記事にある広告枠に表示されるバナータイプの広告です。リンク付きの画像を表示でき、ショップや商品の認知度を高めるのに役立ちます。

アフィリエイト広告

サイトを運営しているアフェリエイターに広告を掲載してもらう方法です。アフィリエイト広告は、会員登録や商品の購入などがあってはじめて広告費が発生するので、成果報酬型広告といわれています。

SNS広告・運用

LINE、YouTube、Twitter、Instagram、Facebook、TikTokなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用した広告です。

SNS広告は年齢や性別、地域など対象を絞って広告表示させることができるので、自社の商品やサービスに関心がありそうな人に効果的にアプローチできるのが利点といえます。

コンテンツマーケティング・SEO対策

自社のECサイトに、顧客に有益な内容のコンテンツを増やして、自社のブランドイメージを向上させるのがコンテンツマーケティングです。

コンテンツマーケティングでよく実施されるのがSEO対策です。検索エンジンで上位表示されるためのキーワードを選定してコンテンツを作ることで、認知拡大に役立てられます。

2.CVR向上施策

CVRとはコンバージョン率のことで、ECサイトにアクセスした訪問者のうち商品やサービスを購入した人の割合を指します。

売上に直結するCVRを向上させる施策は以下の4つです。

LPの最適化

LP(ランディングページ)とは顧客がECサイトにアクセスしたときに最初に表示されるページのことです。このページで魅力を感じなかったり、扱いにくい印象をもたれたりすると、訪問者の離脱につながります。

離脱を防ぐには、LPを魅力的なデザインにする、商品やサービスについて興味を引く仕方で伝える、注文方法をわかりやすくするといった工夫が必要です。

レコメンド機能の活用

顧客が興味をもった商品と関連のある別の商品をおすすめとして紹介するのがレコメンド機能です。

色違いやサイズ違いのもの、より安価な商品を紹介するなど、レコメンド機能を活用することで購入率アップを期待できます。

カゴ落ち対策

カゴ落ちとはECサイトで商品をカートに入れたものの、購入せずに離脱してしまうことです。なぜカゴ落ちが起きてしまうのかを分析して、ECサイトを改善していくことがカゴ落ち対策になります。

会員登録や決済の入力フォームが複雑になっていないか、送料や手数料の説明が分かりやすいかといった点を見直して対策を講じることが大切です。

UIを改善

UIはユーザーインターフェースの略語で、ECサイトのデザインや商品の情報などユーザーが目にする部分のことです。

サイト全体のレイアウトやテキスト、ボタンなどがユーザーにとって見やすく使いやすいものになっているか見直します。

3.リピーター獲得

売上を安定させるためにはリピーターを増やすことが大切です。以下では、リピーター獲得に役立つ具体的な施策を解説します。

クーポン・ポイント活用

購入履歴のある顧客にクーポンを配ったり、自社ECサイト内で使用できるポイントを付与したりする方法です。

顧客の購買意欲を促すだけでなく商品購入の後押しになるので、繰り返し商品を購入してもらいやすくなります。

リマーケティング広告

購入履歴がなくても、自社のECサイトに訪れたことのあるユーザーに対して表示されるインターネット広告がリマーケティング広告です。

興味を持っているユーザーに絞ってアプローチできるので、費用対効果の高い施策といえます。

メルマガ配信

会員登録や商品購入した顧客にメールを送信して、リピーター獲得を狙う施策です。新商品やセール情報を送信することで、既存の顧客が再び自社のECサイトに訪問する確率を高められます。

配信したメルマガの開封率や反応率を分析すると、より顧客のニーズに合ったメール内容に改善していくことも可能です。

ECマーケティングを成功させるコツ

ここではECマーケティングを成功させるために意識しておきたいことを紹介します。

ユーザーの不安を払う

ECマーケティングを成功させるのに、ユーザーの不安を払拭させることは必要不可欠です。その理由として、ECサイトユーザーのなかには実際の商品を目で見て確認できない点について不安を感じている人が一定数存在することが挙げられます。

そのため、商品紹介ページに詳しい説明を追加するほか、写真や動画等を活用して商品の魅力を伝えると良いでしょう。また、ECサイトでは購入者のレビューも大切な判断材料のひとつです。仮に、自分がユーザーだったらどんな商品ページに興味を惹かれるか、利用者目線でしっかりとページを作り込むことを意識しましょう。

商品のイメージがしやすいようにする

大半のECサイトは、商品ページを充実させてユーザーの不安を払拭することを意識した作りとなっています。そのため、商品ページを充実させるだけでは、ほかのECサイトとの差別化が難しく、思うようにユーザーが定着しません。

そこで、実際に商品を購入したあとの自分の姿がよりイメージしやすくなるようなコンテンツの作成が欠かせません。たとえば、衣類やカバン、アクセサリーを扱うのであれば実際に商品を身に着けた写真を掲載するほか、さまざまなコーディネートに合わせてみるのも良いでしょう。また、商品にあわせた豆知識やコラムなどをブログ等で発信することで、商品をより身近に感じてもらいやすくなります。

購入までのストーリーを検討する

購入までのストーリーを意識することもマーケティング戦略のひとつとして有効です。ここでいう「ストーリー戦略」とは、ユーザーがどのような気持ちでその商品を検索し、購入に至ったのか(あるいはリピーターになるのか)一連のストーリーを明確にすることです。ストーリー戦略を明らかにすることでユーザーの購買意欲を高め、よりスムーズに購入につながるでしょう。

ストーリー戦略のコツですが、まずは売り出したいと考えている商品のターゲット像を明らかにすることから始めましょう。たとえば、男性向けのビジネスカバンを売り出したいと考えている場合、そのカバンをどういった男性に売りたいのかをできる限り具体的にイメージします。

【ユーザー例】

就活を終えて企業に新卒で入社した20代前半の男性。新入社員研修も終わり、仕事に少しなれてきたところで就活で用いていたカバンを少しいいカバンに買い換えようと考えている。

上記のターゲット設定を踏まえたうえで、新卒向けにカバンの選び方をコンテンツ内で紹介したところで実際に購入してもらうことは難しいでしょう。そこでほしい機能はどういった機能なのか、革といってもさまざまな種類があるが扱いやすいのはどんな革なのか、売りたい商品の訴求ポイントを絡めながらコンテンツを作成することで、ユーザーが商品に関心を抱きやすくなります。

このように、ストーリーを明らかにしたうえでターゲット像を明確にすることが、商品の購買意欲を高めるために重要です。

ECマーケティングを実施する際の注意点

ECマーケティングを実施しても、一朝一夕で成果を上げることはできません。売上拡大を目指すなら、以下の点について理解しておきましょう。

短期間で成果を上げるのが難しい

新規顧客・リピーターを獲得して安定した収益を得るには、消費者のブランドに対する理解を深め、共感を生むことが必要です。集客施策に取り組み、データ分析により改善を加え、新たな施策を試していくといった中長期的な施策が求められます。

インターネット広告を活用すると短期間で集客が見込めるものの、コストがかかります。単発の効果を得る施策のため、継続的な収益は期待できません。

成果を上げるには時間がかかりますが、自社でECサイトを運営するのであれば、継続してECマーケティングに取り組める体制作りをしておくことが大切です。

顧客情報の取得が困難なケースがある

自社ECサイトではなくECモールを利用する場合、顧客情報の取得が難しいという問題があります。

ECモールで自社の商品を購入した顧客の特定ができず、ターゲット層へのアプローチが困難になることもあるでしょう。

自社でECサイトを運営する場合は顧客情報を自由に管理できますが、その場合においても正しいデータを取得できているか見極める判断力が求められます。

専門的なスキルやノウハウが必要になる

ECマーケティングに取り入れる手法や施策は多岐にわたり、データ分析をして対策を正確に行うための専門的なスキルやノウハウが必要です。

コストや時間を無駄にしないためにも優秀な人材の確保が欠かせません。とはいえ、新たな採用となると頭を抱える企業も多いでしょう。

そこで、EC運営を支援するサービスに頼ってみるのもひとつの手です。「ECモール支援サービス」では、ECモールの戦略立案から施策実行までをワンストップで支援しております。記事内で紹介した広告運用、SEO施策、ページ改善から、画像素材の撮影、オペレーション支援、新商品開発もサポートいたします。

支援を担当するコンサルタントはプラットフォーム運営の経験者または元事業者。デジタルマーケティングなどECモール以外の提案も可能です。

ECマーケティングで売上拡大を目指すなら、「ECモール支援サービス」へお気軽にお問合せください。

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まとめ

数多くあるECサイトのなかで、自社が運営するサイトの売上拡大を目指すには、効果的なECマーケティングを実施していくことが求められます。

まずは自社のサイトの現状を知り、集客、CVR、リピート率の3つを向上させるには何が必要なのかを分析しましょう。ECに特化した外部サービスなども利用すると、回り道をせずに着実な売上アップが目指せます。