CRMの戦略がマーケティングのカギに!売り上げにつながる手法とは

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CRM(=Customer Relationship Management)は「顧客関係管理」とも呼ばれる手法です。顧客ごとの情報を収集・管理・分析しながらマーケティングやセールスに役立てていく手法で、顧客と良好な関係を構築するのに役立つとして注目されるようになりました。現在では業種や規模を問わず、さまざまな企業に導入されています。

今回は、CRMを売上アップにつなげる手法について解説いたします。

CRMが必要とされている背景

CRMが必要とされるようになった背景には、社会情勢やユーザーニーズの変化が挙げられます。

まずはCRMのニーズが拡大している背景を探っていきましょう。

市場の縮小への対応

少子高齢化の進行に伴って将来的な新規顧客数の減少が懸念されるようになり、従来の「新規顧客を大量に獲得すれば良い」という戦略が通用しなくなりつつあります。現在は、いかにファンやリピーターを獲得し、離脱させないかを重視する企業が増えています。最適な手法として、CRMマーケティングが注目されるようになりました。

また、コロナ禍や物価上昇に伴う消費の冷え込みも、理由のひとつです。近年は広告費が高騰しており、「広告を大量に打つのではなく、一度得た顧客を確実に離さないようにしたい」といった企業側のニーズが拡大するのも自然なことといえそうです。

オンラインの普及による消費行動の変化

オンラインショッピングやオンライン接客を受けるのが当たり前になりつつある昨今、これまでと比較して消費行動が大幅に変化しています。インターネットを使えば顧客が簡単に多くの情報に触れられるようになっているからこそ、大量の広告などを出稿し、購買に結びつける手法が通用しにくくなりました。

SNSやブログなど、あらゆるチャネルからの購買も増加しており、顧客ニーズを可視化しにくくなっています。

そのほか、同じ年齢・性別であってもニーズが多様化していることや、より豊富な購買体験が望まれるようになっていることなども関係しています。その中で、顧客情報を整理し、ニーズやターゲットを可視化しようという動きが進みました。

非対面での営業スタイルの台頭

メール・通話・オンライン会議システムを活用した非対面での営業が台頭し、相手先を実際に訪問しないインサイドセールスが増えてきたこともポイントです。

対面でのコミュニケーションが主流だった時代は、表情や会話のトーンなどから担当者の人となりがわかりました。商品の魅力以外にも、営業担当者との相性の良さや、関係性の構築により、お得意先になるケースもよく見られました。

しかし、現在ではテキストベースでのやり取りも多く、よりニーズにマッチした提案ができないと競合に勝てない時代になっています。オンラインでも非対面と変わらない営業、もしくはそれ以上の成果を期待したいときにこそ、CRMを活用するメリットがあるのです。

CRM戦略の構築により得られる効果

ここでは、CRM戦略を構成することで得られる効果について解説します。

なぜ手間とコストをかけてでもCRM戦略を実行する企業があるのか、その理由やメリットを理解していきましょう。

顧客のニーズの可視化

CRM戦略により、顧客のニーズを可視化できます。特に顧客の志向や情報は、特定の担当者のみが知っている状況になりがちです。属人化を防ぎ、部署を横断して情報を共有する上でも、ニーズの可視化は有効といえます。また、客観的なデータからニーズに合わせた最適な商品サービスを提案できるので、購買数の向上が見込めます。

営業活動に活用すれば、なぜ成約に至らなかったのか、月ごとの目標が最適かなど、PDCAサイクルを回しやすくなるでしょう。

顧客サポートの充実化

CRM戦略によって収集・分析したデータを活用すれば、顧客サポートの充実化も叶います。

例えば、商品購入とともに必要な関連商品を進めたり、在庫がなくなるタイミングで追加の提案をしたりすれば、購買につながりやすくなります。反対に、要らないオプションを削って簡略化したり、顧客が悩みを抱えそうなタイミングで適切にフォローアップの連絡を入れたりすれば、顧客満足度の向上も見込めます。

結果、良い口コミ・評判が出回り、リピーターだけでなく新規顧客の獲得にも効果が現れます。

的確なフィードバックの実施

CRMシステムに蓄積されたデータを活用すれば、マーケティング戦略の立案にも役立ちます。例えば、CRMツールでは企業ごとの規模・資本金・担当部署・担当者の個人プロフィール・製品の利用実績などを詳細に記録できます。

電話やメールなど外部ツールを利用した問い合わせの内容やクレームの内容・頻度も可視化できるので、よりマッチしたサポートを提供しやすくなるのです。

また、目標に掲げていたKPIと現状と比較しながら顧客ごとの差を比較したり、特定のターゲット向けの商品を開発したりと、さまざまな活用方法があります。多角的な分析・フィードバックをしたいときにCRMを役立てれば、これまでにない施策を立案できる可能性が高まります。

CRM戦略の構築に必要なこと

最後に、CRM戦略の構成に必要なことを解説します。効果的に導入するためにも、自社の体制を整えておくことが大切です。

課題と目標を掲げて共有する

売上向上や業務改善を目的とする場合、そもそもの営業課題がどこにあるのかを可視化します。解決すべき課題を抑えておくことで、施策の軸がブレてしまうこともありません。

KPIを設定する

KPIとは「重要業績評価指数」のことであり、施策の成果を数値で観測するために欠かせません。数値上の目標を策定しておけばPDCAサイクルを回しやすくなり、効果的な改善・フィードバックができます。

リピーター率の向上、関連商品のセールス率向上、解約率の低減など、定量的な目標を設定しましょう。成否や進捗を客観的に判断しやすいように、KPIは可能な限り明確に設定することがポイントです。

検証して改善する

成果を上げるには、獲得したデータやKPIの達成度をもとにPDCAサイクルを回し、検証・改善を繰り返していくことが重要です。成功要素と問題要素を都度抽出しながら、新たな施策を模索してみましょう。

反対に、質の高いCRMを導入しても、検証・改善することなく「やりっ放し」になってしまうと効果は半減してしまいます。期待していたような効果が出ず、コストばかり膨らんでしまうこともあるので注意が必要です。

まとめ

CRMは、市場の縮小・消費者ニーズの多様化・消費行動のオンライン化を経て、近年特にニーズが高まっているマーケティング手法です。社内の業務効率改善をするほか、顧客満足度の向上・リピーターの獲得などに効果的なのでぜひ取り入れてみましょう。

当社でも、CRMマーケティングに関するコンサルティングを実施しています。「そもそも導入の方法がわからない」「CRMを導入したがうまく運用できていない」などお困りごとがある方は、お気軽にご相談ください。

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